学生による「弊学」呼びに反対する

自らが所属する大学をへりくだって(この時点でおかしいと思うが),弊学などと呼称する学生が散見される。しかしながら私は弊学と呼ぶことは適切とは思えない。
学生は自らの所属機関をへりくだって呼称すべきではないと考えるからである。そもそも学生は,入学者選抜によって選抜されたうえで学長から入学を許可されて在学しているという立場にある。そうすると,へりくだることが自らの所属機関である大学を下げるという意味を持つこととあわせて考えたとき,適切とはいえないだろう。
予想される反論として,会社員は自らが所属する会社を弊社と呼んでいるが,彼らだって選考されて入社しているではないかというものがある。うるさい。学生が入学を許可され在籍しているのは,教えを乞うているからであろう。この点会社員が弊社と呼ぶこととは全く異なるものである。このようなことも忘れてしまったのか。この点は自らへの戒めを込めて書き残しておきたい。
自らの所属機関を弊学と呼称する各位にあっては,常連の飲食店を友人に弊店と紹介し,かかりつけ医を人に教えるとき「弊かかりつけ医は~~先生で」などというのだろうか。まさか自らの指導教員を弊指導教員などと呼ぶのだろうか。
また,逆の立場に立って自身がそのように他人から呼称されたとき,違和感や嫌悪感を覚えないのかという疑問もある。少なくとも私は,お前何様だよ(笑)と笑いながら怒る人にならざるを得ない。